海外の犬を日本に輸入するには

海外でブリーディングされた犬を日本に輸入するには、法人・個人または営利・非営利を問わず
狂犬病予防法及び家畜伝染病予防法の観点から
定められた方法によって疾病の有無の確認や防疫の備えをし所定の文書により輸入することの通知をした上で、その許可を受けなければなりません

指定地域と非指定地域

日本の農林水産省が定める指定地域(狂犬病清浄国、地域)は2018年1月現在

アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアム  

で、これらの場所以外からの輸入と指定地域とは手続きが異なります

指定地域(農林水産大臣が指定する狂犬病の清浄国・地域)http://www.maff.go.jp

以前は指定地域とされていたアイルランド、スウェーデン、英国(グレート・ブリテン及び北アイルランドに限る。)ノルウェーと 台湾はそれぞれ2012年、2013年に除外されました

以下、このページでは指定地域以外のアメリカを例に挙げて説明させていただきます

アメリカから日本に犬を輸入する為には?

「アメリカで生まれた仔犬」を日本に輸入する為にはマイクロチップの挿入とその後、計2回の狂犬病ワクチンの接種及び抗体価検査を受けなければなりません(簡素化のためにマイクロチップの挿入とワクチン接種は同日に行なわれることが多いようです)

マイクロチップは本犬の同一性を担保するために必要で、農林水産大臣に提出される書式にもマイクロチップに記録されたID(生体番号)の記入欄があります
現在のマイクロチップの皮膜材質は生体適合ガラスが使われ健康面にも安全性の高いものになっています

やや太目の針のそばにあるのが「ICタグ」、首の付け根など犬の動きを阻害しない位置に挿入します

JKCガイドラインでもマイクロチップ(個体識別番号)は従前より義務付られているので無駄になることはありません

1回目と2回目のワクチン接種は一定(30日以上、有効免疫期間内まで)の間隔をおいて行い、後日血液を採取して『抗体価』を測ります
この血液検査は、継続して免疫能力を保持していることを確認する為に各検査の間隔は180日以上間を空けなければならないと定められています

抗体とは特定の異物(ウイルスなど)が体内に侵入したときにつくられるタンパク質で、その異物を排除するよう働きます
狂犬病予防ワクチンで得られる抗体は『抗狂犬病ウイルス抗体』といい、この場合『抗体価』とはその抗体の量をいいます

一般の動物病院でも接種は受けられますが抗体価を測る設備と証明書を発行する認可がないため、農林水産大臣の指定のラボに検体(この場合は血液)を送り『狂犬病抗体検査証明書』を発行してもらいます。
日本の場合、一般財団法人生物科学安全研究所(RIAS)になります

検疫基準パスとなる抗体価の基準は、0.5IU/mL(レイテンゴ アイユー パー ミリリットル と読みます)で
輸出国であるアメリカで計2回のワクチン接種を行なっていても『180日間の待機日数を満たしていない』、または『抗体価が基準に達していない』場合は、それぞれがクリアできるまで日本の動物検疫所に留め置かれます。

その他、書類上の手続きや申請がありますが詳しくお知りになりたい場合は、農林水産省発行の「指定地域以外から日本に犬・猫を輸入するための手引書(pdf)」をご参照ください

日本に来るまでの過ごさせ方で大違い

先ほど各検査の間隔は180日以上間を空けなければならないと申し上げた通り、どんなに早くても合計7ヶ月は入国させることができません

海外業者の中には契約がまとまってしまった犬はもう関係ないとばかりに碌な運動もさせずケージに閉じ込めっきりなど劣悪な環境におかれる場合も残念ながら見聞します。

ドッグオーナーさんならご存知のことと思いますが、犬の初年度の半年は体型の変化や一般的なしつけ・ハンドリングなど、その仔の一生を左右する重要な期間と重なり、信頼できる専門家の管理が必要になります(>>あなたの仔犬が日本に来るまでにBlack Angelができること)

あなたの家族に安全な空の旅を

長距離の旅は私たち人間にとっても大変なものです。ましてやパートナーがそばにいない環境での長時間フライトは犬にとって大変ストレスとなるでしょう せめて到着後の手続きがスムーズに行くよう万全の準備を整えて少しでも負担を減らせるよう適切な業者選定綿密なスケジュール等の打ち合わせを行ないたいものです ANA:ペットをお連れのお客様[国際線]