ドーベルマンのかかりやすい病気

拡張型心筋症(DCM)


ドーベルマンの約半数が生涯のうちに罹患する病気といわれています。

主に左心室のポンプ作用が失われ正常に血液を循環させることが出来なくなります。表にあらわれる症状としては息切れや咳をするなどし、やがて重度の呼吸困難に進行します。代謝がうまく行われなくなるため腹部が体液で膨張する場合があります。速く駆けると失神してしまったり、さらに心臓のリズムが衰えると突然死することもあります。DCMは遺伝的要因が大きく関わっており、研究によりいくつかの遺伝子マーカーが知られていますが、それらに該当しないドーベルマンも発症する場合があるため他の要因も関与していることが推察されます。 ただ今後DCMを発症するドーベルマンを減少させられるよう、ブリーダーの中には遺伝子検査を積極的に行い、それらの既知の遺伝子マーカーに変異がみられるドーベルマンを交配に用いないようにする取り組みが始まっています。

検査方法
心筋トロポニン検査 NT-pro-BNP検査 心エコー検査 etc.

心筋トロポニン 心筋細胞の蛋白で心臓が正常であれば、血中濃度は非常に低いので検知不可能か、あるいは辛うじて検知できるほどの微量しか存在しません。しかし、心筋細胞が損傷すると心筋トロポニンを含む細胞成分が循環血液中に漏出し、血中濃度が上昇します。したがって、心筋トロポニンは心筋壊死に特異的かつ感度が高い血中マーカーです。

BNP 血管拡張作用、ナトリウム利尿作用などをもつホルモンの一種(ペプチド)で心臓に負荷がかかっている状態で有意な上昇がみられ、NT-pro-BNP検査は比較的あたらしいBNP値の測定方法でより敏感に値を測る事ができます。

フォンウィルブランド病(vWD)


血漿フォンウィルブランド因子(VWF)の異常や欠損が原因とする先天性出血障害で、打撲や切傷による内出血や外出血がなかなか止まらない等よく知られるところの血友病によく似た症状を呈します。VWFは、出血するとすぐに血管の壁が破れて出てきたコラーゲンと血液中の血小板を結び付ける橋渡し役をすることによって、止血で重要な働きを担います(一次止血)。フォンウィルブランド病はいくつかの型がみられそのうち犬を脅かす型の多くはVWFの減少を示すvWDⅠ型です。
検査方法
口腔内壁のぬぐい液を用いて行なう遺伝子検査方法が確立されています。

第一次硝子体過形成遺残(PHPV)


眼球の中のゼリーのような硝子体という組織と、そこに含まれる血管が発達の途中でうまく消えずに残ってしまう疾患です。約8〜12週齢からの子犬はPHPV検査が可能で、犬が冒されている場合は治療法はありませんが、70~90%は片眼だけに発症し、多くの場合、犬の生活に大きな影響はありません。

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